「三時ごろ、イエスは大声で叫ばれた。『エリ、エリ、レマ、サバクタニ。』これは、『わが神、わが神、なぜわたしをお見捨てになったのですか』という意味である。」   マタイによる福音書27:46

 十字架のキリストは午後三時ごろ息を引き取られました。その直前の叫びがここに記されています。一説には詩編22篇を口ずさまれたのだ、と言われています。しかし、仮りにそうだとしてもなぜイエスさまはこのような絶望的なことばを発せられたのでしょうか。
 肉体的な十字架の痛み、苦しみもさることながら、イエスさまが受けられ、このとき経験なさったことは、一身に負われた全人類の「罪」がもたらす神との交わりの断絶、虚無、絶望の恐怖ではなかったでしょうか。この叫びの中にこそわたしたちの贖いとなってくださった十字架のキリストの「死」があります。わたしたちでは負い込みきれない罪と死の苦しみを、主は極みまで負い続けてくださったのです。
 神はこのためにまったき人となってくださいました。罪の故に本来わたしたちが受けるべき代償、死をキリストはお受け止めくださったのです。死から命への道はここから始まりました。