「そして群衆は、イエスの前を行く者も後に従う者も叫んだ。『ダビデの子にホサナ。主の名によって来られる方に、祝福があるように。いと高きところにホサナ。』」          マタイによる福音書21:9

 モーセによる出エジプト以来「過越の祭」が祝われています。異邦の圧制からの解放と、イスラエル建国の祭りでもありました。パレスチナ内外からユダヤの民はエルサレム巡礼に集まります。
 ごった返すエルサレムにイエスさま一行も到着しました。日頃からイエスさまを知る人々は、ついに時が来たとばかり注目します。この方ならモーセのようにローマ帝国からわたしたちを解放し神の国を立て直してくださるに違いない、と。まるで王を迎えるように歓迎しました。ある者は自分の上着を道に敷きます。服従の証です。ある者は棕櫚やナツメヤシの枝をうち振るいながら歓呼して迎えます。物見高い群衆が集まります。多くは預言者程度にしか理解していませんでしたが、つられて叫びます。「ホーシャナー!今、救いたまえ!」と。
 しかし、この群衆の多くは付和雷同、時の律法学者、祭司集団の顰蹙や妬みにそそのかされて、数日後、沈黙のキリストを十字架に引き渡してしまったのです。