「そのとき、弟子たちがイエスのところに来て、『いったいだれが、天の国でいちばん偉いのでしょうか』と言った。」
 マタイによる福音書18:1

 弟子たちはいったい何を考えていたのでしょうか。イエスさまから繰り返し天の国、神の国の教えを聞いて来た弟子たちは、やがてその時が来れば、だれが、どんな地位に着けるかと、議論し始めたのです。
 弟子たちは、最初、だれが誰だか互いに遠慮し、緊張もしていました。ただイエスさまにつながっての仲間でした。でも、だんだん慣れてくるとおおよその見当がつくようになったのでしょう。12人の集団のなかで互いに関係の距離ができあがってきました。無意識のうちに序列ができあがり、それぞれの立ち位置が決まりかけていたのです。しかし、それがそのまま天国の評価になるとは限りません。
 イエスさまはそれよりもまず「自分を低くして、子どものようにならなければ」天国にすら入れない、と警告してくださいました。なぜなら、神のみ前で評価される基準は、謙遜、貧しさ、弱さ、愚かさだからです。それぞれの器がどれだけたくさんの神の恵みを必要としているかにかかっているからです。