ルツ記4:11~17    旧約聖書において「真珠」、「最も愛らしい、小さなすべて」、「砂漠のオアシス」、「シンデレラ・ストーリィ」と様々に称されるルツ記。確かに大きな困難、試練にあっても、思いやり、愛によって、幸せを取り戻すナオミ、結ばれるボアズとルツ、真に麗しい物語である。

ナオミは、夫エリメレクと二人の息子と共に飢饉を避けて、ベツレヘムからモアブの地に移り住んだ。

落ち着いたと思ったら、夫が召されてしまった。それでも、息子たちが成長し、それぞれモアブで結婚、10年が経ち、幸せであったが、息子が二人とも亡くなってしまった。ナオミはベツレヘムに帰るほかなかったが、二人の嫁が一緒に行くと申し出た。ナオミは、まだ若い嫁のために、モアブに残ることを進めた。一人は泣いて別れを決したが、ルツはナオミすがりついて離れなかった。それは、年を重ねた義母を見捨てられないという憐憫の情と、「あなたの神は、わたしの神」という篤い信仰のゆえであった。ルツはナオミを通して真の信仰に導かれていたのであった。

無事に故郷に帰ったが、夫も二人の息子も失ったナオミ、これ以上ない「都落ち」であり、食べることすらできなかった。そんな義母のために、ルツは、貧者、孤児、寡婦、寄留者が為す「落ち穂拾い」(レビ記19:9、申命記24:19)を自ら申し出るのであった。そんな、けなげなルツを見初めたボアズは、彼女を正式な妻として迎えるために、堂々と町の門においてルツを妻と宣言したのである。

「アンモン人とモアブ人は主の会衆に加わることはできない。十代目になっても決して主の会衆に加わることはできない。」(申命記23:4)とあるにも関わらず、主を信じる信仰から溢れる愛、主の祝福は、いかなる困難試練、民族の壁も乗り越えて成就することを知らされる。ルツの子はオベド、オベドはエッサイの父、エッサイはダビデの父である。

主の祝福は、イエス・キリストの降誕へと繋がる。クリスマスを目指す心構えを戴いた。ハレルヤ!